次世代のトップブーランジェが創るリスドオルの未来
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プーフレカンテ(peu frequente) 狩野義浩氏
愛知県名古屋市
瑞穂区豊岡通1-25
シャンボール近藤1F
TEL 052-858-2577
営業時間 8:00~19:00
定休日 毎月曜日
何度でも通いたくなるプーフレカンテのパン

JR名古屋駅から地下鉄で20分、瑞穂区のごく普通の住宅街に店を構える「プーフレカンテ」。小さな店舗の前にはひっきりなしにクルマが止まり、吸い込まれるように店舗に入っていく。6坪ほどの店舗には150種類ものパンがズラリと並び、次から次と売れていく。店名の「プーフレカンテ」とは“閑散としている”という意味のフランス語。オーナーシェフの狩野義浩氏は、あえてわかりにくく、良くない意味の名前をつけることで、逆に店名ではなく、商品力で勝負したかったと語る。今や“閑散”どころか1日500人がこの小さな店舗に押し寄せる。

この店の一番人気は食パンである。棚の上までぎっしり並んだ予約の食パンは壮観。1日300本は売れるというから驚きだ。


お客様に愛されるベーカリー

なぜこのプーフレカンテが人気なのか?と思う方はぜひ一度お出かけいただきたい。パン一つひとつの表情を見て、ひと口食べてみれば、その完成度の高さに驚かされる。中でも来店したお客様が、必ずといっていいほど購入するのはホーン型の「クローネ」120円である。頼むとその場で自家製カスタードと生クリームを詰めてくれる。サクサクとした食感を味わってもらうには、注文を受けてから詰めるのが一番と、どんなに混んでものそのスタイルを貫く狩野シェフ。このクローネは1日1000個も売れるという大ヒット商品となっている。この味でこの価格、誰もが納得の商品なのである。

これだけではない。小さな店には朝8時から時間ごとに溢れんばかりのパンが並び、次から次と売れていく。

午前中に平台に並ぶ惣菜パンのバラエティはすごい。「ハム・ぶた・キャベツ」170円、ソーセージ、大葉、チーズとトマトソースが絶妙な味わいの「ソーセージクロワソン」190円などいずれも絶品。また人気の「ミートパイ」は肉をミンチにするところから手作りというからすごい。


また、丹波の黒豆とカスタードを併せた「黒豆デニッシュ」、カスタードとアーモンドクリームが絶妙な味わいの「デニッシュバナーヌ」など、デニッシュ系やアンパンなどの菓子パンも秀逸だ。

フィリングもカスタードは勿論、フルーツのジャムやさくらんぼのキルッシュなど、あんこ以外は全て手づくり。塩は沖縄の焼き塩を使用。厳選した素材を狩野流に手づくりし、一切の妥協はない。150アイテムのパン一つひとつに、狩野シェフとスタッフの情熱がこもっている。その熱い想いがお客様に伝わっているのである。

「うちはいいお客様に恵まれています」という狩野シェフ。自家製の果物や野菜などお客様が土産に持ってきてくれることも多いという。お客様に愛されている店なのである。


パンはその人の人間性が出る

寝ない、食べない。まるで仙人のような狩野シェフがパンづくりに賭ける情熱はすごい。

「パンってその人の人間性が出ると思います」と狩野シェフ。プーフレカンテのパンは奇をてらったものはないが、食べたらわかる。誰もが納得なのである。スタッフは全員朝4時には出勤するというが、狩野シェフはもっと早く出勤。作業は機械を使わないオールスクラッチ方式。おいしいパンづくりのためには、妥協は許さない。粉や製法にこだわり、いつでもやきたてを提供する。その真摯な姿勢がお客様に伝わり、お客様を引き寄せている。

「パンをつくるときはお客様の顔を思い浮かべてつくりなさい」とスタッフに指示しているという狩野シェフ。お客様との距離が近いのである。

ていねいな仕事。パンづくりに対する真摯な姿勢、それが商品に現れている。「こんな店が近くにあったら毎日通いたい」そんなベーカリーなのである。「パン屋さんって日常だから、高くてはいけない。毎日気軽に食べてもらうことが大切」と語る狩野シェフ。リーズナブルな価格も人気の秘訣である。

若い頃洋菓子店でも修行したという狩野シェフ、今後はもっと焼き菓子を充実させたいと語る。狩野シェフが焼くこだわりの焼き菓子を、ぜひ味わってみたいものだ。


リスドオルは神様のような存在

芦屋の「ビゴの店」で修行したという狩野シェフはリスドオルを使って28年になるという。「僕にとってリスドオルはカルベル先生を思い起こさせる神様のような存在。だからフランスパン以外は触ってはいけないと思っていました。今回はせっかくのチャンスをいただいたのでさまざまなジャンルにチャレンジしました」と狩野シェフ。ポーリッシュ種を使ったパン・ド・ミーはしっとりと、ふくよかな味わい。サクサクのクロワッサン生地と大人の味わいのビターなチョコカスタードとクレームシャンテが絶品の「クローネ」、デュエリオの湯捏生地を使用、リスドオルの良さを引き出したふっくらもちもちの「ベーグル」。そしてやわらかいリュスティック生地を太白ごま油で揚げた「リュスティック揚げパン」。そのふんわりした食感はこれまでにない驚きの食感である。そして、リスドオルとアーモンドプードルを一緒にローストしてサクサクの食感に仕上げた「アーモンドクッキー」など、リスドオルを知り尽くした狩野シェフならではの渾身の5アイテムが完成した。


Zopf(ツオップ)
パン・ド・ミー(ポーリッシュ種) ベーグル クローネ
リュスティック揚げパン アーモンドクッキー
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