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スパゲティナポリタンのブーム再来

首都圏の情報誌ではナポリタン特集の記事が掲載され、テレビでは行列の出来るナポリタン専門店が頻繁に紹介されています。その中には古くからの有名店ではなく、ナポリタンに新たに取り組んで注目を集めている店もあります。何故ナポリタンが注目を集めているのでしょうか?都内にナポリタン専門店を6店出店する「パンチョ」、横浜発祥のナポリタンを通じて地域活性化にも取り組む「日本ナポリタン学会」についてレポートします。
パンチョ

 都内の吉祥寺、渋谷、池袋、御徒町、新橋、秋葉原にナポリタン専門店を出店しているのが、株式会社B級グルメ研究所の「スパゲティーのパンチョ」です。同社は「男性がクイックで腹いっぱいになるパスタ店」を目指して一号店の渋谷店を出店し、現在は都内に計6店舗を展開しています。最近話題の「ナポリタン」の専門店として注目される「パンチョ」を取材しました。

パンチョ渋谷店
改めてナポリタンはうまいと言わせたい
 パンチョでは昔懐かしいナポリタンに徹底的にこだわっています。パンチョの人気は、まずナポリタンに愛着を感じる中高年の方に支持され、口コミで広がっていきました。じわじわ感じられていたブームは、パンチョ新橋店出店後に複数のTV番組放映とともに火がつき、若い年代または女性のお客様も増えていきました。
 ナポリタンは40代以上の方に馴染みがあっても、若い世代の方にはあまり馴染みがないと考えられるので、パンチョでは20~30歳代の方を「新ナポリタン世代」にしていきたいと考えているとの事です。その思いは「改めてナポリタンはうまいと言わせたい」というキャッチコピーに表れているようです。

<一番人気は「ナポリタン目玉焼き」>
渋谷店 店内
吉祥寺店 店内
ナポリタンの調理
 スパゲティーは太麺を使用し、歯切れの良いもっちりした食感が特徴です。ナポリソースは毎日店で手作りし、具材はウインナー、玉ねぎ、ピーマンが基本となっています。一番人気は目玉焼きをトッピングした「ナポリタン目玉焼き(700円)」です。その他のメニューとしては、厚切りベーコンやチーズのトッピングもあり、ナポリタン以外では「ミートソース」やにんにく風味の「白ナポ」があります。
 若い世代に満足してもらおうと大盛りメニューを売りにしており、麺のみの重量で、小盛り300g、並盛り400g、大盛り600gは同じ料金で、更なる大盛りメニューとしてはナポリタン兄貴900g、ナポリタン番長1200g、ナポリタン星人1500gといった超大盛りメニューも話題を集めています。また限定メニューとしては、「ナポカレー」、「海鮮ナポ」や本場ナポリに期間限定で出店した際の「ナポリのナポリタン」などもあります。
 覚えやすい短い店名は「ちょっとパンチョ行こう」といった具合に気軽に店名を口にしてもらえるよう「パンチョ」という店名にしたとの事です。ナポリタンという親しみのあるメニューにここまでこだわっている店は他に無いという自信が感じられました。今後も都内を中心に新店展開を予定しているとの事です。
 若い方を「新ナポリタン世代」として、意識的に取り込んでいこうという方針は「大盛り無料」という料金体系に表れています。また店内には昭和のアイドルやアニメのポスターがあり、BGMもちょっと懐かしい曲が流れ、昭和の雰囲気の中で昭和のナポリタンを味わうというコンセプトになっています。こうした様々なこだわりが、幅広い年代に受け入れられる要素になっているようです。

ナポリタン目玉焼き(700円)
ミートソース(650円)

■ パンチョ渋谷店
住所:東京都渋谷区道玄坂2-6-25
電話:03-5489-2522
営業時間:11:30~23:00

日本ナポリタン学会

 スパゲッティ・ナポリタンは横浜市のホテルニューグランドが発祥のメニューとして知られています。その横浜で、「ナポリタンを横浜の食文化として発信し、ナポリタンを通じた人の流れをつくり地域の活性化に繋げたい」と取り組んでいるのが田中会長を中心とした日本ナポリタン学会です。田中会長に日本ナポリタン学会の取り組みについて話を伺いました。

日本ナポリタン学会
フォークの持ち上がったスパゲティナポリタンのサンプル
<日本ナポリタン学会の発足>
日本ナポリタン学会 田中会長
スパゲティ以外にあられや中華まんも「ナポリタン」として
 横浜の地域SNS「ハマッち!」の中で、横浜出身の田中会長と名古屋出身の岩室副会長のスパゲティ論争をきっかけに、「横浜ブランド争奪戦スパゲティナポリタン頂上対決!」というイベントが開催された事が学会発足に繋がりました。
 田中会長曰く、「横浜市全体としての人口は増加しているが、古くからの繁華街である関内や伊勢佐木町に出かける人は減りつつあり、ナポリタンを提供していた喫茶店の閉店が続いている。元町など海側は賑わう一方、横浜ナポリタン物語を出店した井土ヶ谷など山側は人の往来が以前に比べ少なくなっているので、町全体がもっと元気になって欲しいという思いが強い」との事です。
 ナポリタン発祥のホテルニューグランドとは対決イベント以降交流を開始し、学会でのイベント「ファミリークッキングコンテスト」でホテルニューグランドの料理長が審査員を務めるなどしています。
 学会としては、おいしいナポリタンメニューを提供している認定店を2011年から年3~4店舗ずつ認定し、2013年7月現在12店舗となっています。その中にはスパゲティではなく、ナポリタン味のケーキやおかきを開発した店も認定されており、地域全体での活性化に繋げていきたいと田中会長は考えています。

<日本ナポリタン学会の主旨>
 日本ナポリタン学会とは、懐かしくもおいしい「スパゲッティナポリタン」を日本の発展と共に歩んできた貴重な食文化であると再評価・再認識することから、沈滞しがちな地域を、そして日本を活性化させていこうと、戦後にナポリタンが全国に伝播していく発信地となった横浜の有志市民が結成した任意団体です。

<横浜ナポリタン物語>
横浜ナポリタン物語(宿るや商店)
日本ナポリタン学会ののぼり
 京急井土ヶ谷駅から徒歩8分ほどにあるのが、曜日毎に様々な業態の飲食店が出店する「宿るや商店」です。「横浜ナポリタン物語」は毎週土曜午前11時から午後8時までの営業時間で出店しています。
 看板メニューはスパゲッティ・ナポリタンと名古屋式鉄板ナポリタンで、駅前住宅地の立地である事から幅広い客層で、ナポリタンをテイクアウトする一人暮らしのお年寄りの利用もあるとの事です。
 スパゲティは昔ながらのモチモチした太麺で、一般的なイタリアンレストランでのプリプリした食感の細麺との違いを打ち出しています。またソースは日本初のケチャップメーカーで一旦廃業したものの、5年前に復刻した「清水屋ケチャップ」にカゴメのバタークリーミーケチャップをブレンドしたものを使用しています。ソーセージは横浜で馴染み深い相模ハムを使用し、野菜はピーマン、玉ねぎ、マッシュルームとシンプルながら具だけで100gとボリュームたっぷりです。
 学会での取り組みは横浜開港150周年事業の対象にもなり、今後は他の地域のグルメ団体との交流も深めていく方針です。既に福井県武生市の名物ボルガライスに取り組んでいる「日本ボルガラー協会」とは友好協定を締結しています。ボルガライスはオムライス、ヒレカツ、デミグラスソース(カレー以外)の組み合わせで、日本ナポリタン学会は協定締結を記念して横浜市関内の認定店での「愛のボルナポセット」発売を計画しています。

横浜ナポリタン物語 店内
スパゲッティ・ナポリタン(700円)

■ 横浜ナポリタン物語
住所:横浜市南区井土ヶ谷下町28-13 宿るや商店内
電話:045-315-3553
営業時間:土曜のみ11:00~20:00

「横濱うたげや ど根性ホルモン」
椿店主
横濱うたげや ど根性ホルモン
 日本ナポリタン学会に紹介いただいた横浜市営高島町駅徒歩1分の学会認定店「横濱うたげや ど根性ホルモン」を取材しました。昼は定食メニュー中心、夜は居酒屋として営業しており、夜の営業でのみ学会認定のうどんを使用した「モツ煮ナポリタン」を提供しています。椿店主にナポリタンメニューについて話を伺いました。
 椿店主は地元横浜の食材の流通販売を手掛ける「よこはまグリーンピ-ス」の代表でもあり、「横濱うたげや」は横浜市内の農家や問屋から仕入れた野菜や国産牛、豚の肉を使用したメニューが中心です。マンションの多い駅前立地で、ビジネスマンや地元の家族連れなど幅広い客層であり、客席は24席で週末は2回転程する繁盛店となっています。元々洋食のシェフだった椿店主が、スペインのもつ煮料理をアレンジしてうどんナポリタンの「モツ煮ナポリタン」が開発されました。
 地元精肉店から仕入れた国産の牛や豚のモツ、福耳とうがらし(程よい辛さでピーマンのように調理される)や玉ねぎといった神奈川産の野菜が使用されています。うどんは稲庭風の細いうどんを使用しており、フォークとスプーンでいただきます。モチモチしたうどんの食感、モツの歯ごたえ、トマトの風味の相性が良く、モツをトマト煮にしてケチャップ塩コショウで味付けされおり、お客様からは「意外な組合せがおいしい」との評価を得ています。
横濱うたげや 店内
モツ煮ナポリタン(780円)
 尚、店名の「ど根性(土根生)」には、
<土>
当店のお料理は地元横浜の新鮮な農作物。いわゆる風土に支えられています。
<根>
戸部(所在地)にしっかりと根を張り、日々心を込めてお客様をもてなします。
<生>
そこから生まれる出会いを大切にし、横浜に「食」で恩返しをします。
との椿店主の地域に対する思いが込められています。


■ 横濱うたげや
住所:横浜市西区戸部7丁目224
電話:045-320-3077
営業時間
昼 11:00~14:00、夜 17:00~24:00
定休日:日曜日


 このように学会としての取り組みは「食文化」だけでなく、「地域」を強く意識した内容になっています。共通の目的「地域の活性化」を持つ学会という組織で活動する事により、発展的な取り組みを継続して行う事が可能になるではないでしょうか。

再度注目を集めブームになりつつあるナポリタンのようなメニューは他にもあるはずです。そうしたメニューについても、こだわって品質を高めたり、新しいメニューとしてバラエティ化するなどすれば、新しいお客様を呼び込む事が出来るのではないでしょうか。

パスタ名人

【日本コロイド株式会社】
ロール式製麺機での生パスタ製造に
「パスタ名人」

このコンテンツをご覧になって、「一度ナポリタンに取り組んでみよう」とお考えの会員様もいらっしゃるのではないかと思います。業務用製麺卸の皆様が外食店様向けにパスタ類を提案する場合に、乾スパとロール式製麺機での生スパとの食感の違いの解消が課題となります。
そこで、創・食Clubの参加カンパニー 日本コロイド株式会社の、生パスタ用品質改良剤製剤「パスタ名人」をご紹介します。
ロール式製麺機で本格的な生パスタが製造出来、「乾麺さながらの歯ごたえ」、「茹で伸び防止効果」、「コシの付与」を実現します。歯切れの良さ、加水調整により茹で時間短縮、食感の維持などの効果もあります。対粉1~3%の配合で、生パスタ以外に中華麺、うどん、そばにもご使用いただけます。
是非一度お試し下さい。

【お問い合わせ】
日本コロイド株式会社
営業部 木下様
東京都文京区本郷1-28-24
電話:03-5689-2040

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