水信(みずのぶ)フルーツパーラーラボ
横浜で大正時代から愛される果物店の老舗、水信が手掛けるフルーツパーラー。厳選されたフルーツを使ったフルーツサンドウィッチが、手土産や差し入れとしても人気です。
水信(みずのぶ)フルーツパーラーラボ
- 住所
- 神奈川県横浜市中区桜木町1-1-7 コレットマーレ 2F
- 電話
- 045-228-9297
- 営業時間
- 11:00~21:00(ラストオーダー 20:00)
- 定休日
- コレットマーレ休館日に準じる

創業大正4年の老舗フルーツ店が開いた実験的なフルーツパーラー

季節のフルーツを使ったフォトジェニックなメニューが揃う中、テイクアウトやお土産として人気なのがフルーツサンドウィッチです。
お店が誕生したのは2014年7月。最初は、同じ桜木町にある商業施設CIALでオープンしました。2018年にコレットマーレができると移転。2022年にリニューアルした広く清潔な店内は、全面ガラス張りで天井も高く、開放感のある空間です。
母体となっている「水信」は、大正4年に台湾バナナ加工卸問屋「水信商店」として始まりました。現在も「水信商店」は横浜の中央卸市場で果物の仲卸業を営んでいます。「水信フルーツパーラーラボ」はグループ企業である「水信ブルックス」が運営。他にも「水信フルーツパーラー」や鉄板焼ダイニングの「知喜多」など様々なお店があり、自慢のフルーツを生かしたメニューを提供しています。


水信フルーツパーラーラボではフルーツをたっぷり使ったパフェや、カットフルーツ、プリンが人気です。そしてイートインはもちろん、テイクアウトでも愛されているメニューがフルーツサンドウィッチです。
フルーツサンドウィッチ開発時には、水信フルーツパーラーラボを立ち上げた当時のマネージャーらが材料を厳選。生クリームは乳脂肪分をオリジナルの配合でブレンドしたものを使用しています。パンにもこだわり、フルーツやクリームとの相性や食感のよいものを選んでいます。
フルーツサンドウィッチは、水信自慢のバナナ、キウイ、パイナップルなど常時5種類をミックス。もちろん、すべて食べごろで、食べやすさを重要視して、一口サイズにカットされています。
「見映えはもちろん重要ですが、フルーツとクリームとパンとの絶妙なバランスが大事。フルーツばかりがドーンと主張しないように作っています」と店長の小堀 祐一さん。


フルーツサンドウィッチは、目の前に置かれると、フルーツとクリームの華やかな香りがふわりと漂います。キラキラしたフルーツの断面にも釘付けに。
「パンにクリームとフルーツを挟んでラップで包んでから冷蔵庫で寝かせています。カットは注文を受けてから行います」と小堀さんが話すサンドウィッチは、手でつまんでも、口に入れても、パンとクリーム、フルーツが一体感を失いません。
クリームは砂糖控えめでさっぱり。フルーツ本来の甘味と酸味を引き立てています。フルーツもクリームも端までたっぷり挟み込まれていて、最後のひと口までフルーツサンドウィッチを食べる特別感を味わうことができます。
常時販売しているフルーツサンドウィッチのほか、旬のフルーツのみを使ったサンドウィッチも用意されています。夏はマンゴー、桃、シャインマスカット、秋になれば、ナガノパープル、洋梨、そして冬から春にかけてはいちごと、フルーツの種類が変わるたびに足を運びたくなるようなラインアップです。
テイクアウトボックスはバッグのようなユニークな形

「フルーツサンドウィッチだけを買いに来る人も多いですが、店内でパフェなどを食べた後にお土産として買っていかれる人もいます。差し入れなどでまとまった数を購入されるケースも何度もありました」(小堀さん)。
テイクアウト用には、小さな手提げのハンドバッグのような形をしたオリジナルボックスが用意されています。施されたイラストも魅力的で、定番のフルーツサンドウィッチ用、季節のフルーツサンドウィッチ用、そしていちごの季節はいちごサンドウィッチ専用のデザインです。
オリジナルボックスの開発は時間をかけて行われ、よりいいものを追求し完成しました。定番のフルーツサンドウィッチと季節のフルーツサンドウィッチのボックスには、全く趣の違うフルーツのイラストが施されています。



また、ボックスには保冷剤とお手拭きを入れるスペースが設けられていて、週末になると近隣の公園でランチとして楽しむために買いに訪れる親子連れも多いそう。しっかりとした素材で作られているので、膝に乗せて食べても安定感があり外での食事にもぴったりです。
フルーツの老舗が作る自慢のフルーツサンドウィッチ。このかたちもデザインもこだわった専用ボックスによって、持ち歩いたり、誰かにプレゼントしたりしたくなる気持ちも湧いてくるようです。
カツとパン
2023年4月7日、江東区勝どきにオープン。赤坂のホテルニューオータニで創業45年以上という歴史を誇る、とんかつと和食のお店「ふみぜん」によるカツサンドの専門店です。
カツとパン
- 住所
- 東京都中央区勝どき4-10-5
- 電話
- 03-6228-2234
- 営業時間
- 11:00~19:00
- 定休日
- 不定休

著名人にも愛される伝統のとんかつをカツサンドに

お店があるのは勝どき駅から大通りを西に歩いて路地を入ったところにある長屋です。以前は住居として使われていましたが、現在はほとんどが店舗として使われていて、まるで複合施設のようになっています。表通りからは少し入ったところですが、洗練された外観に目を奪われます。
母体となっているのは、ホテルニューホータニにあるとんかつと和食のお店「ふみぜん」です。創業から45年という老舗です。夜は旬の味覚溢れる季節の日本料理が自慢ですが、厳選した素材を使ったとんかつは長年積み重ねた匠の技で丁寧に作り込まれ、ランチメニューとして人気。場所柄、政治家やスポーツ選手など、著名人にも愛されてきました。
その著名人に愛されるとんかつを、今までにないスタイルのカツサンドにしようと考えて誕生したのが、このテイクアウト専門店です。「コロナ禍の影響もあって、新しいチャレンジが必要なタイミングでした」と代表取締役の渡邊剛志さん。
カツサンドのメインとなるカツは、母体であるふみぜんでも使っているブランド豚、三元豚を使用。様々な品種を経てようやく辿り着いた、こだわりの豚肉です。パン粉や油にもこだわりがあり、お店で食べるような、サクサクでジューシーな味わいを楽しんでもらおうと、カツは揚げたてを丸ごと使っています。しかも使っているのは、1枚200グラムという分厚いロース肉。ジューシーで食べ応えもバッチリです。


カツサンドには、絶対的な主役のカツ、準主役とも言えるパン、そしてビシッと主役たちを引き立てるソースという名脇役も欠かせない要素です。
カツとパンのカツサンドは、4種類のパンと4種類のソースを組み合わせた4切れが1食になっています。
食パンは、全粒粉を使ったプレーン、ビーツ、ほうれん草、にんじんの4種類で、毎日お店で焼き上げています。野菜をたっぷり練り込んだ3種類のパンは色も美しく、ほんのり野菜の味を感じることができます。練り込む野菜は、国産の新鮮なものをお店で刻むところから仕込みを行っています。そのため「特にビーツは季節によって色合いが変化します」と渡邊さん。色の変化もそのときどきに採れたての野菜を使っている証拠です。
プレーンのパンにはふみぜんで好評のオリジナルとんかつソース、赤いビーツの食パンにはタルタルソース、緑が美しいほうれん草の食パンにはトマトとバジルのソース、そしてオレンジ色のにんじんの食パンにはカレーソースを組み合わせています。
「僕はカレーが気に入っていますが、どれか1種類を4切れ入れると飽きられてしまうかもしれません。4種類あることで味の変化を楽しんでもらいたいと思います」(渡邊さん)


高級感あるパッケージに合わせてできた美しいカツサンドセット
カツとパンでは、この4種類をセットにしたカツサンドをギフトや差し入れとして使ってもらえるような商品にしたいと考えていました。
カツサンドは容器に隙間なく入っていて、彩もよく、寄木細工のような美しさ。実は、容器に中身を合わせたというのが本当のところだとか。4切れを組み合わせたら容器にピッタリのサイズになっています。カツサンドに使われる豚肉が1枚200グラムと大ぶりなのは、豚肉に厚みがあることで、容器に隙間なくカツサンドを入れるためでもあるのです。


カツとパンでは、当初から木製の容器を選びたいと考えていました。「オリジナルのケースを作るのは難しいので、木で作られた既存の容器を求めて、サンプルをいくつも取り寄せました。そして採用したのが現在の容器です」(渡邊さん)。
さらに水引や風呂敷も準備。シックな色合いに、家紋を思わせるようなロゴマークが配置されています。ここぞというとっておきの場面にもふさわしい印象です。
さらにお店のある勝どきは、築地など、外国人に人気の観光エリアのすぐそば。日本らしいビジュアルと美味しいカツサンドの組み合わせは、外国人観光客や海外から来たお客様をもてなすお弁当としても喜ばれそうです。


デ カルネロ カステ 東京店
三重県に本店があるカステラの専門店。カステラはプレーンのほか、チョコ、抹茶とあんこなど常時6種類。カステラの切れ端を袋詰めした「カステラのみみパック」なども販売されています。
デ カルネロ カステ 東京店
- 住所
- 東京都世田谷区若林 3-17-10
- 電話
- 03-6450-9290
- 営業時間
- 11:00~18:00
- 定休日
- 水曜

三重県の輸入玩具店から始まったカステラ専門店

東京支店は、個性的なお店が集まる世田谷線松陰神社駅近くの商店街に2019年にオープンしました。おでん屋さんだった場所をリノベーションしたという店内は、木がたくさん使われ、アンティークの什器や人形もあって、どこかファンタジックな雰囲気です。
東京支店は創業者の娘でもある平山瑞紀さんがストアマネージャーを務めています。「母はお菓子とアートの融合として焼印を使ったお菓子を販売したいという希望を持っていました。最初に作ったのはロールケーキですが、ロールケーキの生地は柔らかいため、焼印が美しく残りません。そこで幅広い年代の人が安心して美味しく食べられるシンプルなお菓子で、焼き印が残るという条件をクリアしたのがカステラでした」(平山瑞紀さん)。


デ カルネロ カステのカステラは、甘さ控えめで、ふんわり、もっちり、ほどけるような口当たりです。
東京店で販売されているカステラは三重県の工房で作られています。小麦粉やハチミツは三重県産で、ハチミツは三重県四日市の川村養蜂場が作る百花蜜を使用しています。卵はそれぞれ地元産を採用しているそう。
カステラは、機械化できる工程が少なく、ほとんどが手作業で作られています。もっちりふんわりした食感に焼き上がったあと、複数の種類の焼印を押していくのも、ひとつひとつ手作業です。「プレーンカステラ」の日持ちは12〜3月は製造日より12日間、4〜11月は製造日より10日間と贈り物にもぴったりです。
こだわりの焼印は、これまで17組のイラストレーターに依頼してデザインされました。動物のモチーフを中心に、季節や用途に合わせたおめでたい絵柄も準備されています。普段店頭に並んでいるのは、季節のものと定番がメイン。特定の焼印が欲しい場合は、予約をすると絵柄を選べます。


焼印のあるカステラが一度に現れる、中央から弧を描くように開くボックス
ギフトやちょっとしたプレゼント用に求められることが多いカステラ。パッケージは商品の重要なポイントです。カステラのパッケージといえば、細長い箱から、内部を引き出すものが一般的で、デ カルネロ カステでも2019年までは同様のボックスが主に使われていました。
「カステラを商品化してからしばらくは、内部のスタッフで一般的な箱の展開図を描いていました。しかし東京でお店を開くにあたって、プロダクトデザイナーに依頼しようということになりました」(平山さん)。そして依頼したデザイナーが自信作だと持ってきたのが、現在使っている天井部分が中央から弧を描くように開くパッケージでした。このパッケージなら、中身のカステラを動かさなくても、カステラに押された焼印全体を一度に見ることができます。箱が開く様子はまるで扉を開けているようなユニークなデザインです。
オリジナルボックスは、デザインはシンプルですが、扉のように開く中央部分は文字やトレードマークのドットがピッタリ合わさるようになっています。


限定品や特別なタイミングで、パッケージもイラストレーターに依頼したものが登場します。唯一パッケージの形状が異なるスパイスカステラは、広告や絵本、また人気バンドのCDジャケットをデザインしたこともあるイラストレーター、福田利之さんに依頼。
また、犬や動物のイラストを中心に、音楽アーティストのグッズデザインや本の挿絵も手がける、てらおかなつみさんに依頼したパッケージも注目を集めました。どちらも定番のひとつとして店頭に並び、そのかわいさで人気を集めています。
「焼印やパッケージの依頼のためにイラストレーターにコンタクトすると、すでにデ カルネロ カステの存在を知っていると言ってくださる方も多くなってきました」(平山さん)。イラストレーターにとっては、パッケージにイラストが印刷されることはあっても、焼印という形でお菓子に直接、自分のイラストが描かれるのは珍しい機会。さらにお菓子という商品に使われると、既存のファンとは違う顧客層に手に取ってもらえることもあり、依頼したイラストレーターからは、ぜひ引き受けたいと喜ばれるそうです。


カステラは、幅広い年代の人にとって馴染みのある食べやすいお菓子。初めからカットされているので、おもたせや出先で食べる機会にも都合がいいと喜ばれています。
お店では透明のビニールに入ったシンプルな状態でも販売されていて、箱は別売りになっています。家族や自分用に買いに来たつもりが、オリジナルの箱の存在によって、ついつい誰かにあげたくなってしまいそうです。
ブランドや店舗の世界観を感じられるパッケージは、まだ店舗に来たことがない人にも店の考えや魅力を伝えてくれます。実用性とデザインのよさを兼ね備えたパッケージ。参考にしてみてはいかがでしょうか。
※店舗情報及び商品価格は取材時点(2023年09月)のものです