2025.08.26

地元の小麦粉を使い、最上級の日用品を作る

織物の町として栄えた歴史ある地、群馬県桐生市。群馬県の東部に位置し、レトロな町並みと自然が調和しています。果樹や野菜が育つ自然豊かな農産地でもあります。その地域の渡良瀬川沿いに2013年5月29日オープンしたのが「THE BAKERY」

ぺこパン

ぺこパン

11年勤めた会社を退職し、パン屋さんのおいしさを広めるべく、自転車で日本一周中!各種SNSで、発信しながら旅をしています!夢は、世界のパン屋さん巡りをして、 その国その国のパンのおいしさをみなさんにお伝えすることです。

こちらのお店の店主、阿久津智志さんは、地元・群馬県産の小麦粉をはじめ数種類の小麦粉を巧みに使いこなし、お客様が理想とするパンを丁寧に焼き上げています。

店主が目指すのは、「最上級の日用品」。
それは、“最高においしいパン”を、“誰もが気軽に立ち寄れて、無理なく買える価格”で届けるという想いが込められています。もちろん、利益を無理に削るのではなく、価格とおいしさのバランスを追求しながら実現しているのです。

この「無理なく買える価格」を具体的にお伺いしました。
「いくつかのパンは、ポーション(サイズ)を小さくすることで100円台の商品を増やすなど、価格帯の見直しを行っています。たとえば、以前はバゲットを半分にカットしたサイズで提供していたサンドイッチ(約500円)は、品質はそのままにバゲットを1/3サイズに変更し、350円程度に価格を抑えました。また、原価が高くなりすぎる商品については、別のものに作り変えるなど、柔軟な対応もしています。この地域では、低価格のパン屋を目指すのも難しく、かといって高級ブランドとしての展開も現実的ではありません。だからこそ、『そのとき、その状況の中で手に取れる日用品のなかの最上級』を目指して、日々パン作りに取り組んでいます。」

私自身、「パンがもう少し小さくて、手に取りやすい価格だったら嬉しいな」と感じたことがあります。店主は、そういった思いを抱くお客さまのことをしっかり考えてくださっているのですね。

パンの商品開発のプロセス

パンの「おいしさ」と「価格設定」のバランスに悩むパン屋さんは、多いのではないでしょうか。

そこで、商品開発のプロセスをお伺いしました。
「開発のプロセスとしては、まず原価をあまり気にせずに『とにかく美味しいものを作る』ことから始めます。その後、原価を算出し、適正な販売価格を見極めながら、必要に応じて製造工程や原材料を見直し、サイズ感も含めて調整を行います。その際の判断基準となるのは、『そのひと手間や配合に、本当にお客様が対価を払う価値があるのかどうか』です。」
THE BAKERYのパンは、このような過程を経て作られているのですね。

ノアレザン

群馬県産の小麦粉・全粒粉90%、ドイツ産ライ麦10%使用。全粒粉は県内の小麦農家さんが石臼で挽いたものとのこと。パン酵母は、ライ麦粉から起こし小麦粉で種継している液状のルヴァンリキッドで、イーストと併用しています。

山葡萄の小粒レーズンと胡桃が入っていて、一口食べると、クラムがすごくもちもちで、クラストがパリッとしています。群馬県産の小麦粉を使用することで、もっちり感が生まれるそうです。たっぷりのレーズンがジューシーで、もっちりしたクラムとの一体感があり、パン生地とレーズンがシームレスです。そして、コリコリした食感の胡桃が香ばしく、食感にアクセントを加えています。

アーモンドクロワッサン

群馬県産と北海道産の小麦粉を使用し、群馬県産全粒粉をローストしたものを微量配合することで香ばしい小麦の風味を強調しています。アーモンドクリームに使用する小麦粉は群馬県産を100%使用。このパンに使うパン酵母も、ノアレザンと同様にルヴァンリキッドとイーストを併用しています。

しっとりとしたクロワッサン生地(四つ折り2回)に、アーモンドクリームが塗られていて、粉糖も相まってとてもスイート。折り込みのバターは国産の発酵バターを使用しており、リッチな味わいです。クロワッサンとアーモンドクリームの一体感があり、さらに散りばめられたアーモンドスライスがパリッと食感を生み、香ばしさを演出しています。コーヒーとのペアリングも抜群に良いパンです。

店舗情報

Basique
店舗名:
THE BAKERY
住所:
〒376-0011 群馬県桐生市相生町3-591-2
アクセス:
運動公園駅から360m
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電話番号:
0277-46-9030
営業時間:
8:00-14:00
定休日:
月・火曜
店舗公式インスタグラム:
@thebakery2013