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2013年06月30日[三重]

伊勢うどん業界に革命を起こしたミヱマンが新商品「カレー伊勢うどんのたれ」

伊勢うどん業界に革命を起こしたミヱマンが新商品「カレー伊勢うどんのたれ」

 伊勢志摩地域で「ミヱマン醤油」のブランド名で親しまれる老舗しょうゆメーカー・西村商店(度会郡玉城町、TEL 0596-58-2225)が6月1日、新商品「伊勢の味 カレーうどんのたれ(30ミリリットル×4食分)」を発売した。

 同社の創業は、1684(貞亨元)年。大和へ向かう初瀬街道、熊野への熊野街道が合流し、伊勢街道として伊勢へと続く玉城町田丸の地で醸造技術を持つ紀州藩だった小兵衛(こへい)がみそ・しょうゆを製造したのが始まり(当時の屋号は「古里屋」)。現社長の西村武雅さんは14代目にあたる。現在はしょうゆに特化した調味料の製造をメーンに、主力商品の「ミヱマン」ブランドのしょうゆのほか「伊勢のうどんつゆ」「めんつゆ」「伊勢志摩あおさ醤油」「的矢かきのうま醤油」「伊勢うどんのたれ」などを製造販売する。

 伊勢うどんは腰がなく、つゆがなく、柔らか極太の麺に真っ黒のたまりじょうゆのタレと刻みネギを掛けて食べる伊勢地方に伝わる独特のうどん。伊勢の人が言う「うどん」はこの「伊勢うどん」を指し、他地域のうどんとの混同を避けるため伊勢市麺類飲食業組合が1972年に「伊勢うどん」と統一した経緯がある。1960年代までは伊勢うどんはたれを仕込む必要があり、たれがなければ飲食店で食べる意外は気軽に食べられなかった。

 そこで伊勢うどんの麺を製造する山口製麺(伊勢市大世古)と同社の先代が協力し、小袋化した「伊勢のうどんつゆ」を1968(昭和43)年に世界で始めて製品化。「各家庭で気軽に食べられ、土産店の店頭でうどんとセットで売られるようになり今日の普及に。しょうゆの塩分濃度は一般的に約17〜18%。『伊勢のうどんつゆ」は約8%に抑えたことも(保存の観点からも)当時としては画期的なこと」と同社の西村尚子専務。「私が子どものころは伊勢うどんはお店で食べるものだった」とも。

 同社は、伊勢うどんにたれを掛けて食べるスタイルを「伊勢スタイル」と名付けその第1弾としてカレー味のたれを製品化した。原材料には、30数種類のカレースパイスにリンゴ、ハチミツ、国産節、たまりじょうゆなどが入る。

 西村真美常務は「伊勢うどんのたれをベースに少しピリッとしたスパイスの効いた味に仕上げた。茹でた伊勢うどんの上に同商品を掛けるだけですぐに食べられる伊勢に伝わる食べ方を『伊勢スタイル』として提唱していきたい。先代の革命には及ばないが食べていただければ新しい発見があるはず」と説明する。

 同商品の価格は210円。広域伊勢志摩圏内のスーパー、同社ネットショップなどで購入できる。

(伊勢志摩経済新聞)

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